
北海道・知床の世界遺産地域にある道路を歩くヒグマの親子=5月、北海道斜里町
世界自然遺産の北海道・知床。羅臼岳から西へ流れ、オホーツク海に注ぐイワウベツ川の近くの道路には、20台以上の車が止まり、渋滞が起きていた。出没するヒグマを目当てに、詰めかけた観光客だ。カメラを構えて待ち伏せし、巡回する環境省の職員の注意は無視。ヒグマにつきまとったり、餌付けをしたりする姿も見られた。
「ヒグマとの距離感はここ数年明らかにおかしい」
地元の斜里町で宿泊業を営む男性は、ヒグマと観光客双方の警戒感が薄まっていると感じていた。喜んでヒグマに駆け寄っていく観光客もいたという。
今年8月、羅臼岳で登山者がヒグマに襲われて死亡した。知床には数百頭のヒグマがいるとされるが、登山者が襲われて...
残り2410文字(全文:2710文字)















