記録的な早さで梅雨が明け、夏本番を迎えた。急な猛暑による熱中症患者の増加が心配だ。

 暑さで電力需給の逼迫(ひっぱく)が警戒されているが、節電のため無理に我慢せず、エアコンを活用するなどして体調管理を最優先したい。

 気象庁は28日、本県を含む北陸地方が梅雨明けしたと発表した。

 平年に比べて25日、昨年より16日も早い。6月に梅雨明けするのは統計のある1951年以降初めてで、最も早い。

 今月は24日に十日町市で78年の観測開始以来最も高い37・1度を記録したほか、25日には群馬県伊勢崎市で40・2度と6月の観測記録で全国で初めて40度を超えるなど、猛烈な高温に見舞われた。

 この時期はまだ体が暑さに慣れる「暑熱(しょねつ)順化(じゅんか)」が十分に進んでいないため、特に熱中症になりやすい。小まめに水分や塩分を補給するといった対策を心がけたい。

 新型コロナウイルス禍で着用マナーが進んだマスクも猛暑の中では熱中症の危険がある。

 政府はマスク着用の指針を緩和し、屋外なら「2メートル以上の距離を確保できない状態で会話をする場合」のみ着用とし、徒歩や自転車での通勤通学、散歩などでは基本的に不要とした。

 屋内でも2メートル以上離れ、会話がほとんどなければ必要ない。

 しかし、指針緩和から1カ月以上が経過しても「脱マスク」は進んでいないように見える。

 全国ではマスクをして体育の授業を受けた子どもが熱中症で搬送される事案が相次ぎ、文部科学省は体育や運動部活動、登下校では児童生徒にマスクを外させるよう求める通知を出した。

 一般向けには閣僚が記者会見で発信するなどしているが、屋外でもマスク姿という人は依然多い。

 花角英世知事は28日の記者会見で、マスク離れが進まない背景に社会の同調圧力があるとの見方を示し、適切なマスク使用について発信していくとした。

 県だけでなく、政府も国民に届く情報発信を強めてもらいたい。

 気温上昇で電力需給が逼迫するとして経済産業省は東京電力管内の家庭や企業に全国初の「電力需給逼迫注意報」を出した。29日も節電の呼び掛けを継続し、注意報は3日目となる。

 東北電力も27日に、29日の本県を含む管内の電力需給について「需給逼迫準備情報」を初めて出した。準備情報は注意喚起にとどまるが、状況によっては注意報や警報に格上げされ、家庭や企業は節電を求められることになる。

 ただそうした際も冷房の使用は控えず、室内温度に十分注意を払いたい。熱中症の3割は住居で発生しているからだ。

 温度変化を感じにくい高齢者や、体温調節が難しい子どもには周囲が目配りし、熱中症にならない環境を保ってほしい。