本県経済の低迷を表す調査結果である。一部地域に見られるインバウンド(訪日客)による好材料を全県の活性化につなげたい。

 国土交通省が1月1日時点の公示地価を発表した。住宅地、商業地、工業地なども含む全用途の全国平均は、5年連続で前年に比べ上昇した。

 伸び率は2・8%とバブル経済崩壊後で最大となった。

 これに対して本県の全用途平均の変動率は、マイナス0・4%だった。下落幅は前年から0・1ポイント縮小したものの、31年続けての下落である。

 本県の下落率は、マイナス0・5%だった島根県に続き、鹿児島県、和歌山県と並んで全国で2番目に大きかった。

 住宅地、商業地ともに下落したのは本県を含む7県だけだった。

 住みたい人、買いたい人の少なさを物語る結果だ。花角英世知事が掲げる「選ばれる新潟」からは遠い現実である。

 県内では地価の二極化の傾向が強まっている。

 調査対象の25市町村のうち全用途平均が上昇したのはプラス0・8%の新潟市だけだった。長岡市はマイナス0・6%、上越市はマイナス1・3%だった。

 住宅地、商業地の用途別で見ても、上昇地点の大半が新潟市に集中した。JR新潟駅に完成した商業施設など、利便性の高さが堅調な需要につながったとみられる。

 商業地では、リゾート開発の計画が進む妙高市赤倉がプラス7・1%と、県内で上昇率トップとなった。インバウンドを含む観光客数が回復傾向にある湯沢町も前年に続き上昇した。

 こうした地域の活況を周辺に波及させていく展望を県として描いていく必要がある。

 気がかりは、リゾート地における取引の過熱だ。別荘が人気の長野県白馬村では住宅地の上昇率が33・0%に上った地点もある。

 地元住民の暮らしを圧迫することがないよう、地価動向を注視していくべきだろう。

 2024年1月に発生した能登半島地震によって地価が大きく落ち込んだ新潟市西区の住宅地の下落幅は縮小した。だが、平均変動率はまだマイナス0・4%であり、新潟市による液状化対策事業の進展が望まれる。

 本県とは対照的に首都圏の4都県はいずれも住宅地、商業地ともに上昇した。

 特に東京の住宅地は都道府県別で上昇率トップだ。富裕層の需要が大きく、マンション価格の高騰が止まらない。

 東京への一極集中の是正を急ぎ、地方への人の流れをつくらねばならない。

 高市早苗首相は地域経済の活性化へ「地域未来戦略」を掲げる。しかし戦略を巡る今国会での議論はあまりに乏しい。