待ちに待った球春がやって来た。厳しい冬に耐えて練習した成果を、大舞台で思う存分発揮してもらいたい。

 第98回選抜高校野球大会(センバツ)が19日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕した。本県からは春夏通じて初の甲子園となる帝京長岡と、12年ぶり6回目の日本文理が出場する。

 本県から一般選考で2校が出場するのは初めてである。開会式で両校の選手たちが並んで整列したシーンは、本県の野球史に新たなページが加わったことを印象付けた。

 県全体のレベルが底上げされた結果だろう。選手や指導者、保護者、学校関係者らが積み重ねてきた努力が花開いた。

 北信越大会を制した帝京長岡は大会5日目、23日の第1試合で宮城県の東北と、日本文理は大会3日目の21日、第2試合で21世紀枠の高知農とそれぞれ対戦する。

 帝京長岡は、主戦を中心に投手陣が上り調子だ。打力を強化し、守備の連係に力を入れている。対戦相手の東北は、足を絡めた攻撃で得点を奪う。投打のバランスが良いチームである。

 日本文理の打線は、上位から下位まで切れ目がない。投手陣は変化球で打たせて取る投球が持ち味だ。対する高知農は、選手が出場校最少の18人だが、エースが打撃でもチームを引っ張る。

 本県の2校は雪国のハンディを克服しようと、大会前に県外で練習試合を重ね、実戦感覚を磨いてきた。まずは初戦突破を目指してもらいたい。

 今大会には、センバツ2連覇を狙う横浜、秋の明治神宮大会を制した九州国際大付など強豪校が多数出場している。好投手、強打者がそろい、注目を集めている。

 本県の2校が勝ち上がり、強豪校と対戦を重ねることに期待が膨らむ。チームにとっても貴重な経験となることだろう。

 今大会では、指名打者(DH)制が初めて導入され、攻撃時に投手に代わって打撃専門の選手を使うことができる。

 投手の負担を減らすことができるほか、守備は苦手でも打力はあるという選手を起用できるメリットもある。

 走力のある選手を起用すれば、機動力をアップできる。チームの戦略は、見どころの一つになるのではないか。

 より多くの選手に出場のチャンスが巡ってくる。野球人気の高まりにもつなげたい。