日本の米国に対する貢献姿勢が試される会談だった。日本にとってはエネルギー調達が安定する環境が重要だが、そのために不可欠な停戦への道筋は示されず、課題を残したといえる。
高市早苗首相が訪米し19日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。緊迫するイラン情勢や、日本への経済的威圧を強める中国をにらんだ連携などで両首脳が直接意見を交わした。
米イスラエルとイランの交戦を発端に緊迫化する中東情勢を巡っては、首相は周辺国を攻撃するイランを非難し、事態の早期沈静化が重要だと表明した。
「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と述べてトランプ氏を持ち上げ、「諸外国に働きかけてしっかり応援したい」とも言及した。
イラン攻撃には国際法違反の指摘もあるが、首相は訪米前からその評価を避け続けてきた。会談でもトランプ氏の機嫌を損ねないように言葉を選んでいたようだ。
だが、米国の肩を持ち、攻撃を受けたイラン側を非難するだけでは反発は収まらず、事態の沈静化を図るのは難しい。法の支配が揺らげば、国際秩序を乱す。
トランプ氏は、イランが事実上封鎖した中東ホルムズ海峡に関し、航行の安全を確保するため、日本のさらなる貢献を求めた。
会談の場で公然と艦船派遣を求めることはなかったものの、発言の端々には、海峡経由の原油に頼る日本が協力するのは当然だとの考えがにじんだ。
米国やイランが交戦する中での自衛隊派遣は、法的なハードルが高い。イラン側は、日本は伝統的な友好国だとしながら、海峡通過の可否は「今後の対応にかかっている」と警告している。日本は難しい宿題を背負ったといえる。
両首脳は中東情勢を踏まえた調達先の多角化と安定供給を見据え、米国産エネルギーの生産拡大へ連携する方針で一致した。
中国によるレアアース(希土類)の輸出規制を念頭に「安定供給を脅かす措置への反対」を確認し、重要鉱物の協力に関する3文書も取りまとめた。
関税合意に基づく対米投資の第2弾では、日本が米国で次世代原発の小型モジュール炉(SMR)や天然ガス発電所を建設することなどを発表した。
軍事面でも、改良型迎撃ミサイルの生産拡大を含む共同開発を推進することで一致した。
首相は「同盟の質をさらに高める協力を確認した」と評価した。日本にとってどんなメリットがあるかも説明してもらいたい。
北朝鮮による拉致問題では、今後のプロセスについて話し合い、トランプ氏から即時解決に向けた全面的な支持を得たという。
何よりこの人道問題の解決を最優先に、日米は連携してほしい。
