
「2026年3月31日をもって伊野尾書店は閉店することにしました」。この一文から本書は始まる。親子2代で69年間「町の小さな本屋」を経営した店主の回顧録だ。
読んでいるとなんだか寂しい気持ちになるが、同時に自分に対して「無責任だな」とも思う。仕事柄、「町の小さな本屋」に行くことはあっても、大抵の買い物は品ぞろえが豊富な大手の書店で済ませてしまうからだ。
中小書店に十分な数の人気作が届かないという問題は本書でも度々指摘される。1957年に創業した著者の父の時代から課題だった。著者は中小書店が共同で仕入れをするグループに加盟し、人気作も手に入れられるように。2004年の加盟直後、ベストセラー「世...
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