新潟国際アニメーション映画祭の授賞式会場でイ・サシャ(中央)をアテンドする北條誠人(右)=2月、新潟市中央区

 盛況で幕を閉じた第4回新潟国際アニメーション映画祭。だが、運営幹部は反省する。「今回はとにかく開催することが目的だった。映画祭のビジョンを考える余裕はなかった」。国内のアニメ映画祭は群雄割拠の様相で、どう独自性を打ち出していくかが今後の焦点だ。代表理事の北條誠人(64)は「大げさな言い方だけど、哲学が大切だ」とする。

 期間中、北條は国内三つの映画祭の関係者と面会した。しかし、問題点や今後の方向性の話は出ず、哲学を感じなかった。「どこも目先の運営にエネルギーを持っていかれていて、プログラムが横並びになっている」。危機感を覚えた。

 北條は新潟映画祭の創設者・堀越謙三が設立した映画会社「ユーロスペース」(東京)の代表取締役を務める。大学卒業後に映写技師として入社し、その後支配人に。ベルリンやカンヌなどの国際映画祭を訪れては、ユーロスペースで上映するための作品の目利きをし、ミニシアター文化をけん引してきた。多くの映画祭に触れてきたからこそ、映画祭への哲学、考えが必要だと実感する。

長編コンペ部門「トリツカレ男」上映後に聞き手としてトークに参加した北條誠人(左)。高橋渉監督(同2人目)とともに場を盛り上げた=2月、新潟市中央区

 そんな北條が今回うれしかったのは、会場に近い新潟大付属新潟小の6年生が総合学習の授業で鑑賞に来たことだ。「新潟の人が...

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