早々に梅雨明けしたからといって油断はできない。この夏も台風や大雨による災害に気を付けなくてはならない。
長岡市や三条市などで15人が犠牲になった2004年の7・13水害から、きょう13日で18年になった。教訓を踏まえ、いざという時にはすぐに避難できるように、最新の気象・災害情報に気を配り、準備をしておきたい。
7月は大雨による河川の氾濫や土砂災害が起きやすい。
7・13水害では集中豪雨により、五十嵐川や刈谷田川の堤防が決壊し、甚大な被害が出た。
11年の7月末には新潟・福島豪雨があり、死者・行方不明者が5人を数えた。橋が流されたJR只見線は、今年10月にようやく全線で再開する。
この時季は豪雨被害が全国で多発している。昨年は静岡県熱海市で土石流災害が起きた。20年は九州豪雨で熊本県の球磨(くま)川が氾濫し、18年の西日本豪雨、17年の九州北部豪雨でも、多くの死傷者や行方不明者を出している。
特に注意したいのは、積乱雲が次々と発生し、同じ地域に大雨を降らせる「線状降水帯」だ。
数時間停滞し、土砂災害や洪水などの災害リスクが急激に高まる。西日本豪雨や九州豪雨でも確認されている。
事態を受け、気象庁は6月から線状降水帯の半日前予報をスタートした。発生が予測される約半日~6時間前に発表し、6時間を切った場合は、大雨警報などを発表し警戒を呼び掛ける。
実際に線状降水帯が発生して、非常に激しい雨が降り続いた場合には、警戒レベル4(避難指示)以上に相当する「顕著な大雨に関する気象情報」を出す。
線状降水帯の予測は難しいとされるが貴重な情報だ。こうした情報を十分に活用し、「自分の命は自分で守る」ことを意識して、早めの行動を心掛けてほしい。
また、気象庁と国土交通省は国の管理する河川で、3時間以内に氾濫危険水位に達すると予測した場合に「氾濫危険情報」を発表する。従来は達した段階で出していたが早めた。
いずれも、自治体の早めの避難指示や住民の迅速な行動につなげてもらうことが狙いだ。
ハザードマップなどを参考に、指定避難所の場所や、安全な避難経路をあらかじめ確認しておくことが欠かせない。
ただ、夜間など大雨の中を避難することが危険な場合もある。無理に屋外へ出ずに2階や土砂災害に遭いにくい部屋へ取り急ぎ避難することも考えたい。
自治会など地域コミュニティーでも気象情報を共有し、避難に時間がかかる障害者や高齢者世帯には、雨が強くなる前に移動してもらう対策も講じるべきだ。大雨による被害のない夏にしたい。
