広島の被爆者らと共に平和の大切さを考えた講座=8日、長岡市
広島の被爆者らと共に平和の大切さを考えた講座=8日、長岡市

 被爆地の広島について学ぶ講座が8日、新潟県長岡市の新潟日報長岡支社で開かれた。広島県在住の被爆者らからリモートで体験や説明を聞き、原爆の恐ろしさや平和の大切さを学んだ。

 講座では、会社員時代に本県で勤務経験がある飯田國彦さん(79)=東広島市=が体験を語った。3歳の時、爆心地から900メートルほどの家で被爆し、約1カ月後に母と姉を亡くした。3人とも寝たきりのような状態で「『お母ちゃん』『くにちゃん』と呼び合っていたが返事が返ってこなくなった」と振り返った。

 原爆は爆風、熱線、放射線という三つの被害が出るとし、「本当の悲惨さを知ってほしい」と訴えた。平和な世界を実現するために「お互いの違いを受け入れることが大切」と言葉に力を込めた。

 新発田市出身で広島平和記念資料館のガイド「ピースボランティア」の渡邊裕子さん(37)=広島市=とガイド仲間ら3人も講演。資料館所蔵の遺品や平和記念公園内の慰霊碑の写真を紹介し、「建物疎開に動員されていた学生も多く亡くなった」などと解説した。

 長岡市の南中学校の生徒も参加。3年の伊藤千恵美さん(15)が長岡空襲体験者らの証言動画を作成したことを紹介。「今後もICTを活用して伝えていきたい」と意気込んだ。

 聴講した越路中2年の女子生徒(13)は「被爆を経験した人の気持ちを知ることができた。英語を勉強して海外の人にも伝えられるようになりたい」と話した。

 講座は新潟日報社が主催し、中学生ら約10人が聴講した。

動画