新潟の冬に雪はつきものだ。さらには海岸平野部を中心に北西の季節風が吹き、暴風となることも少なくない。それぞれ冬の厳しさを象徴する存在だが、両者が同時に到来する吹雪になると、厳しさは倍以上になる
▼ただでさえ雪の日は冷え込むのに、強い風がさらに熱を奪う。降るというより飛ぶ雪が視界を遮る。交通事故の多発につながり、吹きだまりができれば車の立ち往生なども起こる。スキー場でも自分の位置が分からなくなるなどして事故が起きやすくなる
▼そんなことを想起したのは、暮れにインフルエンザの全国的な流行が始まったとの記事を目にしたからだ。全国での流行入りは、新型ウイルスがまん延する前の2019年11月以来という。二つの感染症が同時に流行する懸念が高まっている
▼ダブルパンチが現実になれば、医療現場が猛烈な吹雪にさらされかねない。医療はいっそう逼迫(ひっぱく)し十分に治療を受けられない人が出るかもしれない。多くの人が働けない事態になれば、ようやく日常を取り戻そうとしていた社会が再び動かなくなる
▼この年末年始は3年ぶりに行動制限がなかった。久しぶりの再会で多くの笑顔が広がった一方、感染症も広がっていないか気がかりだ。今週末には3連休も控える。当面の感染動向を注視したい
▼新型ウイルスが流行して以降、インフルはしばらく下火になっていた。手洗いなど、感染症対策に取り組んだ効果が出ていたようだ。改めて、地道な対策を怠らず。自分に言い聞かせる。