悔しい思いをした県民やブースター(ファン)は多い。チームをしっかり立て直し、1年でB1への復帰を果たしてほしい。
男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の新潟アルビレックスBBが、来季はBリーグ2部(B2)に降格することが決まった。残念でならない。
今季アルビBBの通算成績は13勝47敗、勝率は2割1分7厘で、リーグ最下位だった。
昨季は新型コロナウイルスの影響で降格はなかったものの、2季連続の最下位だ。昨季の課題を改善できなかったということでもあり、厳しく検証せねばならない。
今季は開幕からつまずいた。新加入の外国籍選手が一度も来日しないまま選手契約が解除になった。B1ワーストの26連敗を喫した昨季から、チームの大幅な底上げができないまま初戦を迎えた。
今季の戦いは、勝負どころでミスをして突き放されるパターンが多かった。絶対的エースや精神的支柱になるベテランの不在が、低迷した要因だとの指摘もある。
監督の交代劇も影響した。開幕から1カ月もたたずに平岡富士貴監督が休養し、2カ月後に退任した。後を受けたヘンリー監督の戦術がチームに浸透せず、選手との信頼関係も醸成しきれないままシーズンが終わった。
アルビBBは2000年に日本初のプロバスケチームとして誕生した。Bリーグが発足した16年からは国内最高峰のB1で戦い、18~19年には地区優勝を果たした。
先駆者として輝かしい歴史を残す一方、地区優勝の翌年からは主力選手の流出が止まらず、成績は下降線をたどった。
21年には社長兼GMがパワーハラスメントをしたとしてリーグから制裁処分を科された。チームの顔だった五十嵐圭選手(上越市出身)もチームを去った。
負けがかさめば客足は遠のく。今季、ホームのアオーレ長岡(長岡市)で行った試合の平均入場者数は2300人余り。18~19年の約3600人から大きく減った。
昨年、全国高校選手権で開志国際高(胎内市)が優勝したように、本県の中高校は全国の頂点を狙える強豪校が多い。「バスケ王国」と呼ばれる本県で、アルビBBはその象徴的存在といえる。
バスケに親しむ子どもたちの憧れの存在であるべきで、夢を壊してはならない。
来季はB2が戦いの舞台となる。強敵も多く、決して楽観視できない状況だ。
26年に創設する新たなトップカテゴリー「新B1」の審査も始まっている。新B1入りのためにも1年での復帰が求められる。
長岡市の磯田達伸市長は「どういうチームを目指すのか、ビジョンを打ち出してほしい」と求めた。重く受け止め、再出発への道筋を明確に示してもらいたい。
