6年ぶりのJ1の舞台で、強豪チームを相手に思うようなプレーができないこともあっただろう。24日からの後半戦では、前半戦で見えた課題を克服し、躍進してもらいたい。

 サッカーJ1のアルビレックス新潟は、今季のリーグ戦前半を終え、4勝5分け8敗、勝ち点17の13位で折り返した。

 2月の開幕戦からは4戦無敗と堅調なスタートを見せて、一時は3位に付けたが、次第に黒星が増え、失速気味だ。勢いを取り戻してほしい。

 J2で築き上げたボールを保持しながら攻めるスタイルを変えずに挑んでいる。17試合を終え、ボール保持率は56・2%で、J1リーグ18チーム中2番目に高い。

 しかし、総失点数は28と多く、ワースト4位タイだ。パスの失敗などのミスから失点を招くケースが目立つ。

 シュートの精度も課題だ。1試合平均のシュート数は10・4本とリーグで5番目に多いが、結果に結び付くのは少ない。総得点数は19で下から4番目、シュート決定率は10・8%にとどまっている。

 後半戦では不用意なプレーを減らし、失点を抑えたい。シュートの精度を上げ、スタンドを大いに沸かせてほしい。

 海外へ移籍したMF伊藤涼太郎選手の穴をどう埋めるのかも、後半戦の大きな鍵となる。

 伊藤選手はハットトリック(3点)を決めた試合も含め、チームトップの7得点を挙げている。アシストも4で、攻撃の要だった。

 チームへの貢献度が高い伊藤選手が抜けた影響を心配するサポーターもいるだろう。それを払拭するには、他の選手の一層の奮起が求められる。

 今季はスタジアム全エリアでの声出し応援が解禁された。ホームのデンカビックスワンでは、多くのサポーターの声援が響き渡り、選手たちに大きな力を与えているはずだ。

 デンカビックスワンは、リーグ戦通算入場者数が1999年のJ2参入以来、1千万人を超えた。1千万人突破はリーグ3クラブ目となる快挙だ。

 ふがいないプレーでサポーターからブーイングが出る場面もあった一方で、昨季の王者で今季も首位にある横浜Mを、逆転で破る見事な試合もあった。

 選手たちは自信を持って果敢に挑み、白星を重ねてほしい。