
ドナルド・キーンさんから高橋義樹さんに送られた手紙などが展示されている企画展=柏崎市諏訪町
太平洋戦争の終戦から8月15日で78年。新潟県柏崎市ゆかりの日本文学研究者・ドナルド・キーンさん(1922ー2019年)は戦中、アメリカ海軍の情報将校だった。当時、捕虜としてキーンさんに尋問を受けたジャーナリストの高橋義樹さん(1917ー79年)との交流を見つめる企画展「未来への伝言」が、柏崎市諏訪町のドナルド・キーン・センター柏崎で開かれている。米軍の将校と捕虜という立場の違いから誤解を生む戦争のむごさや、戦後に誤解を解き、友情を育む様子が手紙や著作から伝わる。
キーンさんは、日本の文学や古典芸能の研究や翻訳に取り組み、アメリカ・コロンビア大学で長年教壇に立った。川端康成や三島由紀夫らと交...
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