〈イラストは報道部・高橋佐紀〉

 眠っていて、急に「かかと落とし」を食らったことはあるだろうか。私はある。掛け布団が急にすっと持ち上がり、「何だろう」と思った時には、次男坊から腹に一撃を見舞われていた。

 わが家は家族で川の字に並んで寝ているが、そんなことがたまにある。まだ幼い息子の脚が喉元を圧迫し、うぐぐと顔をしかめているママに気付いた時は慌てた。

 子どもの寝相は実に自由だ。ベッドの縦横という概念がない。ベッドから落っこちることもままある。友人の娘さんは真冬に隣の部屋まで転がって寝息を立てていた、なんて話も聞いたことがある。

 どうしてそこまで動くのか。夢遊病か。真剣に心配する親御さんもいるだろう。専門家の先生に聞いてみたとこ...

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