東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県内の地元地域では、地域活性化のためにと原発の運転再開を望む声が聞かれる。再稼働は地域の光となるのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。今シリーズでは地域経済に貢献しているのかを検証する。=敬称略=(12回続きの12、地域経済編「人口」の下)

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 愛媛県伊方町は延長約50キロの佐田岬半島に大部分がある。夕方になると、内陸部と結ぶ国道197号は町外に出る車で渋滞する。四国電力伊方原発原子炉は全3基で、2基は運転を終了している。1号機は1977年、2号機は82年に運転開始。3号機の運転開始は1994年で出力は89万キロワット。福島第1原発事故後の2016年5月に1号機は運転終了となり、2号機は18年5月に運転終了となった。3基はいずれも加圧水型(PWR)で、東京電力柏崎刈羽原発の沸騰水型(BWR)とは異なる。で働く人々の帰宅ラッシュだ。

四国電力伊方原発=2023年12月

 伊方原発は1973年に1号機が着工し、94年に3号機までが稼働した。国の電源三法交付金などで町財...

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