東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県内の地元地域では、地域活性化のためにと原発の運転再開を望む声が聞かれる。再稼働は地域の光となるのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。今シリーズでは地域経済に貢献しているのかを検証する。=敬称略=(12回続きの8、地域経済編「波及効果」の下)

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 鹿児島県の薩摩川内市ホテル旅館組合長の福山大作(73)が営むホテルは、九州電力川内(せんだい)原発鹿児島県薩摩川内市に立地する九州電力の原発。1号機と2号機があり、1基当たりの出力は各89万キロワット。いずれも加圧水型(PWR)で、東京電力の柏崎刈羽原発の沸騰水型(BWR)とは構造が異なる。3号機を増設する計画がある。2024年1月現在、2011年に発生した東日本大震災と福島第1原発事故により、具体的な動きは止まっている。関連の利用客が売り上げの約半分を占める。定期検査(定検)法律に基づき約1年(13カ月以内)に1回、運転を止めて必要に応じて行う原発の検査。点検の頻度などは機器ごとに異なり、一度の検査ですべての機器を点検するわけではない。検査の期間に基準はなく、通常は3カ月程度かけて行われる。検査は基本的に事業者が行う。定期事業者検査ともいう。がある期間は全35室が連日満室になり、原発関係者の宴会利用もあるという。

 それだけに、原発が止まっていた約4年間の売り上げは「稼働中とは雲泥の差だった」と振り返る。

九州電力川内原発=鹿児島県薩摩川内市

 人が訪れれば...

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