東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県内の地元地域では、地域活性化のためにと原発の運転再開を望む声が聞かれる。再稼働は地域の光となるのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。今シリーズでは地域経済に貢献しているのかを検証する。=敬称略=(12回続きの10、地域経済編「継続性」の下)

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 九州電力川内(せんだい)原発鹿児島県薩摩川内市に立地する九州電力の原発。1号機と2号機があり、1基当たりの出力は89万キロワット。いずれも加圧水型で(PWR)、東京電力の柏崎刈羽原発の沸騰水型(BWR)とは構造が異なる。3号機を増設する計画がある。2024年1月現在、2011年に発生した東日本大震災と福島第1原発事故により、具体的な動きは止まっている。が立地する鹿児島県薩摩川内市の経済関係者の多くは、原発を基幹産業と位置付け、安全性の確保を前提に運転延長を望む。川内商工会議所会頭で、建設会社を営む橋口知章(68)は、2015年の原発再稼働で「宿泊や飲食、交通、建設業などで特に好影響があった。運転が止まれば効果はゼロになる」と語る。

 鹿児島県の資料を基に...

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