東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県内の地元地域では、地域活性化のためにと原発の運転再開を望む声が聞かれる。再稼働は地域の光となるのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。今シリーズでは地域経済に貢献しているのかを検証する。=敬称略=(12回続きの2、地域経済編「景況感」の下)

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 新潟県柏崎市中心部の活気が低下していると、JR柏崎駅前の商店街の店主らは感じている。2018年に中核的な存在だった総合スーパーが閉店し、23年には商業施設「フォンジェ」から食品スーパーが撤退した。

 「立派な公共施設はいくつもあるのに、生活に欠かせない食品スーパーがないなんて、おかしな話だ」。小売業の70代男性は首をひねる。

JR柏崎駅の近くで第三セクターが運営する商業施設「フォンジェ」。中核テナントである食品スーパーが2023年10月に閉店した。中心市街地の空洞化が進む=柏崎市東本町1

 その要因として、店主らは...

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