
1997年に全7基が稼働した東京電力柏崎刈羽原発は、東電福島第1原発事故後の2012年3月に全基が停止して12年近くがたつ。地域経済にとって、原発の立地は何をもたらし、長期停止はどう影響しているのか。地元経済関係者と有識者の見方を紹介する。原発に対する今後の向き合い方を含め、初回は柏崎商工会議所の西川正男会頭(67)に聞いた。(2回続きの1)
-柏崎刈羽原発の長期停止で、地域経済に影響は出ていますか。
「原発の定期検査が行われないなどの理由から、地元経済への打撃は大きいとみている。近年は(テロ対策の不備など)東電の問題も重なり、東電の社員やその家族だけでなく、市民全体の消費マインドが低迷していると感じる」
「長期停止は異常な状況だ。原発を誘致した大きな理由は国のエネルギー政策に貢献することだったが、原発が正常に運転し、連動して地域経済が盛り上がる姿を思い描いてきただけに残念な状況だ」

-柏崎では経済を支える人口の減少が新潟県内の他の市より早いペースで進み、事業所数も減っています。
「長岡市や上越市という都市部に挟まれ、地の利の少ない地域としては健闘している。原発の稼働で歯止めをかけたいとの思いはあったが、人口減少は東電に全て責任があるわけではない。経済界が...
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