
東京電力柏崎刈羽原発1985年に1号機が営業運転を開始した。全7基の出力合計は821・2万キロワットで世界最大級だが、2023年10月現在は全基停止中。東京電力は2013年に原子力規制委員会に6、7号機の審査を申請し、17年に合格した。その後、テロ対策上の重大な不備が相次いで発覚した。終了したはずだった安全対策工事が未完了だった問題も分かった。規制委は現在、東電に原発事業者としての適格性について、再確認を進めている。規制委は21年4月、同原発での核燃料の移動を禁じる命令を出した。命令が解除されるまで再稼働はできない。でテロ対策の不備柏崎刈羽原発では、2021年2月時点で、侵入検知設備が計16カ所で故障し、うち10カ所は代替措置が不十分なため無断立ち入りができる状態だったことが判明した。原子力規制委員会は安全重要度を最悪レベルの「赤」と評価し、21年4月に柏崎刈羽原発での核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止命令を出した。20年9月には、運転員が同僚のIDカードで中央制御室に入る問題なども起きている。が相次ぎ、事実上の運転禁止命令原子力規制委員会が、東京電力に対して出した「是正措置命令」。柏崎刈羽原発でテロ対策の重大な不備が相次いだことを受け、原子炉へ燃料を入れることや、核燃料を移動させることを禁じた。原子炉に核燃料が入れられなければ原発を動かすことができないため、実質的には運転を禁止したことになる。命令は2023年12月に解除された。を出していた原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。が命令を解除したことを受け、花角英世知事は2月9日、規制委事務局で東電に検査を行った原子力規制庁福島第1原発事故後に発足した国の機関。原子力規制委員会の事務局を務める。前身は原子力安全・保安院で、エネルギー政策を推進する資源エネルギー庁の機関だった。の片山啓(ひろむ)長官と東京都内で面会した。片山氏は命令解除の理由や、原発事業者としての適格性を再度認めた根拠を説明。終了後、花角知事は「検査が丁寧に行われた」と理解を示しつつ、「県民の東電に対する信頼回復につながるかは、これからの状況を見ないと分からない」と述べた。
花角知事はテロ対策の不備が見つかった後の2...