
大雪時の原発事故を想定して行われた防災訓練=2月12日、柏崎市西山町妙法寺
伊藤信太郎原子力防災担当相は2月16日の閣議後会見で、原発事故と地震などの複合災害への対応について「能登半島地震の被災状況を検証し、(原発が立地する)地元の声も聞きながら実効性向上に取り組みたい」と述べた。
能登半島地震では家屋倒壊が相次ぎ、道路寸断による集落孤立が発生。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市・刈羽村)周辺の住民からは複合災害時の避難や屋内退避原発の事故などにより、放射性物質が放出されている中で避難行動を取ることで被ばくすることを避けるため、自宅など屋内施設にとどまること。国は原発からおおむね半径5~30キロ圏に住む人は、放射性物質が放出された場合は「屋内退避」するとしている。屋内退避中は戸締まりや換気設備を止めることなどが必要となり、数日間継続することも想定されている。に関して懸念の声が上がっている。原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。の山中伸介委員長は2月14日の会見で「一般災害は(規制委の)範疇(はんちゅう)外」とし、基本的に複合災害への備えは議論しない方針を示した。
これに対し、伊藤氏は「高い独立性原子力規制委員会は、国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として環境省の外局に位置付けられる。を有する規制委の議論なのでコメントは差...
残り429文字(全文:729文字)