
地震で陥没した生活道路。自治会長の増田進さんは「被害は今も広がっている」と話す=新潟市江南区天野3
能登半島地震の発生から3カ月余りがたつ中、新潟市江南区天野地区では、液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。で家が傾き、道路の陥没がじわじわと広がる。住み慣れた地を離れる人も出始めた。新潟市内では西区の被害に焦点の当たることが多いが、天野地区の住民は「被災者の不安は西区と同じ」と声を上げる。(報道部・高橋哲朗)
新潟市によると、市内の住宅被害は西区が最も多く、4月9日現在で1万棟を超える。ただ、江南区も全壊1棟、半壊165棟を含む計1279棟に上り、...
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