小千谷の牛の角突きの初場所。市内の東山小学校の児童が世話をする「牛太郎」(左)も登場した=2023年5月3日、小千谷市小栗山

 勇壮なぶつかりあいが魅力で、千年の歴史があるともいわれる新潟県小千谷市、長岡市山古志地域の「牛の角突(つのつ)き」。神聖なお祭りで、賭けをしない庶民の娯楽として親しまれてきた。両地域とも「家族同然」と牛を愛し、勝ち負けをつけないのが特徴だ。開幕は風薫るゴールデンウイーク。心地よい山の空気を感じながらのんびりと眺めるのもよし、一瞬の隙を突く闘牛の技に目を凝らすのもよし。牛と勢子(せこ)が織りなすドラマを見に出かけませんか。

(長岡支社・椿智彦)

全身全霊で牛の世話 「お客さんが楽しめる取組に」

山古志闘牛会会長・松井富栄さん

 牛の角突きは長岡市山古志地域、小千谷市とも昭和40年代にいったん途絶えたものの、間もなく復活。1978(昭和53)年には国の重要無形民俗文化財に指定され...

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