美術作家井上隆夫さんが胎内市で採取したチューリップを使った作品=胎内市築地
美術作家井上隆夫さんが胎内市で採取したチューリップを使った作品=胎内市築地
花びらがまだら模様のチューリップ(井上さん提供)

 東京を拠点に活動する美術作家井上隆夫さん(53)が新潟県胎内市産のチューリップを使ったアート作品を制作し、発信している。チューリップモザイク病に感染して花びらがまだら模様になり、捨てられる運命にあった花をアクリル樹脂の中に封入する技法を用い、新たな命を吹き込む。2024年は胎内市内で開かれたチューリップフェスティバルの会場に初めて作品が展示された。

 チューリップモザイク病は他のチューリップや人体への影響はないが、遺伝することから抜き取って処分されている。しかし、17世紀のオランダでは「ブロークン・チューリップ」と呼ばれる貴重な花として、投資の対象にもなった。

 「欲望」をテーマに作品を作ろうと...

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