「超耕!!」。軍手の文字が発光し、超耕21ガッターに変身! 新潟の食文化を守るため、愛を込めて闘う

 2009年に生まれた新潟のご当地ヒーロー、その名も「超耕(ちょうこう)21ガッター」。主人公は新潟で農業を営む、米とふるさと新潟を愛する青年だ。「超耕システム21型スーツ」を託され、新潟の米を食い荒らす魔人たちと、日々闘う。県内のご当地ヒーローの先駆けで、6度にわたり各局でテレビ番組も制作された。生誕15年を迎え、人気を支える人々を追った。

誕生のきっかけは「超神ネイガー」…秋田のご当地ヒーローから着想

生みの親は新潟市東区の不動産業・クラビス

 新潟市内の乳児園のプレイルームに、「ガッターコール」が鳴り響いた。2024年2月に開かれた超耕21ガッターショー。ガッターと初めて触れ合う50人余りの子どもたちは、先生や保護者たちとオリジナルのエクササイズやじゃんけんを楽しみ、泣き出すこともなく、すぐに打ち解けた。

 ガッターの生みの親は、不動産業を手がけるクラビス(新潟市東区)だ。新規事業を模索する中で、秋田県のご当地ヒーロー「超神ネイガー」を知ったことが、誕生のきっかけだった。

 超神ネイガーはナマハゲの叫び声「泣ぐ子はいねがぁ!」から名付けられ、悪の手先から秋田県を守るというコンセプトで2005年にデビュー。漫画にもなり、秋田県内のテレビ番組やラジオでも活躍し、地元の活性化に貢献した。

2024年2月、初めて乳児園に呼ばれてショーを行ったガッター。ガッターエクササイズで園児も元気にジャンプ!=新潟市東区のなかの乳児保育園

 これに感銘を受けたクラビスが、ネイガーの仕掛人であり、ご当地ヒーローの第一人者である海老名保さん(55)=秋田県にかほ市=にキャラクターデザインを依頼し、生まれたのが超耕21ガッターだった。

 顔には「米」の文字があしらわれ、肩のプロテクターはトキの形、足をガードするのはコンバインのレガース(すねあて)。必殺技には柿の種形の鎌をブーメランのように飛ばして攻撃する「ガッター・カッター」や、田植えのポーズからエネルギーを発して敵を粉砕する「豊作祈願・田植ぇ〜ブ」などがある。

 しゃべり言葉は、もちろん新潟弁。まさに新潟尽くしのヒーローが、2050年から現代へとタイムスリップして闘う。

謎の助っ人・流れ笹次郎(右から3体目)や、カメムシやザリガニをモチーフにしたショッタリアン帝国の悪役たちも、魅力あるキャラクター

 テレビドラマでは長岡市の歌手「ひなた」のリーダー・たかのりさんが主人公エイチ・ゴウ役を務め、Negiccoも出演して知名度が上がった。2019年には...

残り2915文字(全文:3778文字)