出張輪島朝市で接客をする今門幸子さん。海産物を扱うため「まだ海に出られないですか」と尋ねられることが多い=7月7日、石川県輪島市(本社取材班・富山翼撮影)
出張輪島朝市で接客をする今門幸子さん。海産物を扱うため「まだ海に出られないですか」と尋ねられることが多い=7月7日、石川県輪島市(本社取材班・富山翼撮影)

 石川県輪島市は、元日の能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。で震度7を観測し、全域で家屋が倒壊するなど甚大な被害が出た。観光名所・輪島朝市一帯は大火で廃墟と化し、有志が別の場所に出向いて商品の販売を続けている。海産物加工の今門(いまかど)幸子さん(58)もその1人。一回り年上の私のいとこだ。現地を訪れると、仲間たちと再興を目指す「さっちゃん」の元気な姿があった。7月10日には、元の場所の近くで初めて朝市が開催された。(本社取材班・笹川比呂子)

 「メカブは水で戻して膨らんだら細かく切って、酢じょうゆを垂らすとおいしいですよ」。能登空港(輪島市)で開かれた7月7日の出張朝市。さっちゃんは、はじけるような笑顔でお客と向き合っていた。

 私の両親は輪島市出身。さっちゃんとは...

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