東京電力が早期再稼働を目指している柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機
東京電力が早期再稼働を目指している柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機

 東京電力は8月29日、柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。6号機の再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。に向け、運転管理ルールを定めた「保安規定」の変更認可申請書を原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として環境省の外局に位置付けられる。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。に提出した。再稼働の前提として規制委が実施する三つの審査の一つで、最後の手続きとなる。

 新規制基準東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力規制委員会が新たに策定した基準。原子炉などの設計を審査するために用いる。2013年7月8日に施行された。従来の指針などが見直され、炉心溶融や放射性物質の大量放出といった重大な事故への対策や、地震、津波対策を強化した。原発を再稼働させるためには新基準に適合していることが条件となった。審査は原子力規制委員会が行う。新たに建設される原発にも適用されるほか、既存の原発にも適用される。で求められている重大事故時の対応などを盛り込んだ。東電は審査と並行し、6号機の安全対策工事を進めている。

 6号機は三つの審査のうち、...

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