
中越地震の際、祖母と一緒に逃げ込んだテーブルのそばで、当時の状況を振り返る駒形洋和さん=小千谷市東栄1
中越地震2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生した地震。旧川口町(現在の長岡市)で震度7、旧山古志村、旧小国町(いずれも現長岡市)、小千谷市で震度6強を観測した。新潟県や内閣府の資料によると、地震の影響で68人が亡くなり、4795人が重軽傷を負った。住宅の被害は計12万1604棟で、このうち全壊は3175棟、大規模半壊は2167棟、半壊は1万1643棟だった。で、一緒にテーブルの下に避難した祖母は直後に意識を失い、そのまま亡くなった。おばあちゃん子だった男児は、20年たった今、医療現場で活動する-。今も当時と同じテーブルが残る新潟県小千谷市東栄1の実家で、駒形洋和さん(28)=長岡市=は、祖母の美佐子さん=当時(70)=の遺影を眺めながら、看護師として、遺族である自分の経験を生かす決意を新たにしている。
2004年10月23日、当時、小学2年生だった洋和さんがリビングでテレビを見ていた時に地震が発生した。台所で夕食の準備をしていた美佐子さんや、近くにいた弟、2階にいた姉もダイニングテーブルの下に身を隠した。
揺れが収まり、気づくと、美佐子さんは、しゃがみ込んだ洋和さんのももの辺りに頭を預けるような姿勢で、意識を失っていた。
停電の中、父や祖父が必死に美佐子さんに人工呼吸していた。洋和さんは...
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