中越地震2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生した地震。旧川口町(現在の長岡市)で震度7、旧山古志村、旧小国町(いずれも現長岡市)、小千谷市で震度6強を観測した。新潟県や内閣府の資料によると、地震の影響で68人が亡くなり、4795人が重軽傷を負った。住宅の被害は計12万1604棟で、このうち全壊は3175棟、大規模半壊は2167棟、半壊は1万1643棟だった。で全村避難した新潟県長岡市山古志地域には、住民が仮設住宅で暮らしていた時から親しんできた復興のシンボル「童(わらべ)地蔵」と「希望の鐘」がある。震災から20年の10月23日、それぞれの制作者が山古志を訪れ、住民と共に節目の時を迎えた。追悼行事の会場では、にっこりとほほ笑む木彫りの地蔵が見守る中、希望を込めた鐘の音が響いた。

 童地蔵は、地震で倒れた樹齢180年の杉を使い、京都市の仏師・松本明慶(みょうけい)さん(79)が2005年、長男の明観(みょうかん)さん(57)らと、山古志の復興を願って9体を彫った。仮設住宅の集会所に置かれ、住民は無事に帰村できることを願い大切にしていた。

中越地震で倒れた杉を使い「童地蔵」を彫った一人の松本明観さん=10月23日、長岡市山古志竹沢

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