
政府は東京電力福島第1原発事故の発生以降に掲げていた「原発依存の低減」を改め、原発を最大限活用する方針に転換しました。12月からは新潟県の柏崎市と刈羽村に立地する東電柏崎刈羽原発の再稼働に向け、資源エネルギー庁が新潟県内28市町村を回って説明会を開く異例の対応を行っています。
こうした動きや再稼働問題を新潟県民はどう受け止めているのでしょうか。新潟日報社では、全会場の様子を取材し、質疑応答で語られた率直な声を順次紹介していきます。
【小千谷市会場の主な質疑】
参加者 25人
回答者 資源エネルギー庁原子力立地政策室長

Q(男性) 「いろいろな必要性から原発再稼働が必要だ。さまざまな対策も取っている」という話だと理解したが、やはり私の不安は拭い去れないところがある。その理由をどう思うか。
A 私の方から推測するのは難しいが、福島第1原発の悲惨な事故が起きたこと、生活や仕事などで多くの方に影響を与えてしまった事故が起きたことは事実。そうした中で国民の皆さまの中に、当然大きな不安があるものと考えている。(再稼働は)もちろん安全が最優先。不安に向き合いながら、国の取り組みやエネルギーの状況を説明させてもらいたいと思っている。
Q(男性) 私が住んでいるのは原発から16キロの所だ。だから(事故発生時に)そこにとどまれと言われても無理だ。全員逃げる。事故が絶対ないということがありえないことは、福島で完全に証明された。その中で「危険はあなた方が負え、利益は東京が頂きます」と言われる立場になって考えてほしい。原発は東京に造るべきだ。...
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