東京電力柏崎刈羽原発の安全対策に関する報告書を花角英世知事(右)に手渡す県技術委員会の小原徹座長=2月12日、県庁
東京電力柏崎刈羽原発の安全対策に関する報告書を花角英世知事(右)に手渡す県技術委員会の小原徹座長=2月12日、県庁

 東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の安全性を確認する新潟県技術委員会新潟県が柏崎刈羽原発の安全確認を行うに当たり、専門家から技術的な指導や助言を得るために設置した委員会。原子炉物理や地震工学、品質管理の専門家ら11人で構成されている。正式名称は「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」。東京電力が柏崎刈羽原発や福島第1原発などで、重要な設備にひび割れがあるなどのトラブルを隠ぺいした問題を受け、2002年に設置された。の小原徹座長(東京科学大教授)は2月12日、東電福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。を踏まえた柏崎刈羽原発の安全対策に関する報告書を花角英世知事に提出した。全22の確認事項のうち、東電が原発を運転する適格性があるかどうかなど4項目で独自の評価を避けたが、原子力規制委員会の安全性判断を「否定しない」とする一定の結論は示したと強調。「県の原子力安全行政に活用してほしい」と述べた。

 福島事故後の2012年に始まった県技術委による柏崎刈羽原発の安全対策の確認作業は、区切りを迎えた。報告書は、県として同原発の安全性をどう見るかに直接関わり、花角知事が再稼働について判断...

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