
左官技能士検定用の練習台に、コテを当てる横井まどかさん。1級を受験する前、この練習台で猛特訓した=阿賀野市寺社
「『女性だからできない』と思われたくなかった。負けず嫌いなんです」と、屈託のない笑顔を見せる。新潟県阿賀野市寺社の土木工事会社「阿賀・グローバル」に勤める左官職人、横井まどかさん(26)は、1級左官技能士検定に県内トップ合格を果たした業界期待の星だ。
幼いころからものづくりが好きで、新発田南高校工業科に進んだ。在学中にテレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」で左官職人が作業をする様子を見て、コテさばきの見事さに心を奪われた。左官になりたい一心から、卒業後「阿賀・グローバル」に就職した。
職場の先輩から指導を受けつつ、会社の練習場でひたすら壁を塗る日々を過ごした。その後、民家や商店などの現場で実践を積んだ。
道具の重さや夏の暑さなど、苦労もある仕事だが、「壁を塗り終えた後の達成感がすごい」とにっこり。自分が外壁を仕上げた建物を通りかかると「昔、私が塗ったんだよな」と感慨にふけることも。自分が作業した店がメディアで紹介されたこともあり、大きなやりがいを感じたという。
着実に技術を高め、2018年に左官技能士検定の3級、21年に2級に合格した。24年は1級に挑戦。受験前は仕事の後に毎日3時間、午後9時までコテを使う練習に打ち込んだ。
24年夏に...
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