東京電力福島第1原発事故を巡り、当時の東電経営陣の刑事責任を問うた裁判は3月6日、いずれの被告も無罪との判決が確定することになった。事故によって福島県から新潟県に避難を余儀なくされた住民は「どうして誰も責任を取らないのか」とやりきれなさを吐露。東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発の地元では「無責任だ」「仕方がない」など複雑な受け止めが交錯した。
「悔しいが、これまで何度も怒り、傷ついてきて、もう涙も出ない」。事故で南相馬市から子ども2人と新潟市に避難した女性(47)は、無罪確定の知らせに肩を落とした。
裁判では、勝俣恒久元会長=2024年10月死去、公訴棄却=と、柏崎刈羽原発所長や原子力部門トッ...
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