
定例記者会見で記者の質問に答える花角英世知事=9日、県庁
東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。の是非を問う県民投票条例案について、花角英世知事は9日の定例記者会見で、再稼働に賛成か反対の二者択一となることから「得られる情報は限られる。県民の意見を見極める段階での効果に限界がある」との認識を初めて示した。県民の意見を把握する手法として、県民への意識調査を検討していると明らかにした。
8日に公表された条例案に対する意見で、花角知事は「『賛成』『反対』の二者択一の選択肢では、県民の多様な意見を把握できないと思われる」とし、県民投票には慎重な考えを示していた。
会見で花角知事は「間接民主制を補完するものとして住民投票という制度自体を否定するものではない」と述べた。その上で...
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