
今夏で戦後80年。ただ、不条理は1945年8月15日以降も続いた。海外での日本人抑留は最たる不条理の一つだ。シベリア抑留に比べ、ほとんど知られていないモンゴル抑留旧ソ連軍による旧満州などへの侵攻で捕虜となった日本人約57万5000人のうち、約1万4000人が当時のモンゴル人民共和国に抑留された。約1700人が死亡。井手さんによると、モンゴルでの死亡率は12%台で、シベリアでの9%台より高率だった。(※ページ下部に詳細)の実態を追うジャーナリストがいる。北海道在住の井手裕彦さん(69)だ。モンゴル国立中央公文書館で新たに新潟県出身者12人を含む378人の死亡記録を発見した。全国の遺族に故人の死亡経緯などを伝えるボランティアを続けている。新潟にも強い思いを持つという井手さんに「駆り立てられる義務感」などを聞いた。
(論説編集委員・原崇)
新たに378人の死亡記録を発見…「遺族の思いに応えたい」
ジャーナリスト・井手裕彦さんに聞く
-なぜ日本人がモンゴルに抑留されたのでしょう。
「1945年8月9日、旧ソ連軍が旧満州に侵攻しました。世界で2番目に社...
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