
午前9時13分新潟発の上越新幹線に積み込まれる鮮魚。東京駅で降ろされ、飲食店などに届けられた=4月中旬、新潟市中央区のJR新潟駅
海や川を見つめる長期企画「碧(あお)のシグナル」の5月シリーズは「魚尻(うおじり)交通手段が限られた江戸時代や明治時代、生魚の鮮度を保ち、運べた範囲を指す」の視点を通し、流通や小売りの変化を追います。(6回続きの3)
帰省や観光の乗客でにぎわうはずの上越新幹線の車内はがらがらだった。2020年のゴールデンウイーク。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全国に拡大し、人の流れが止まった。影響は長期にわたった。
その感染禍のさなかの21年、ある「発車ベル」が鳴った。JR東日本が進める新幹線を軸とした輸送サービス「はこビュン」だ。
誕生のきっかけは、17年に催した東京駅での産直マルシェだ。新幹線で新潟県を含む各地から野菜や果物を輸送し、好評だった。「ビジネスにしようとプロ...
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