
急速冷凍された魚=5月上旬、上越市春日山町3
海や川を見つめる長期企画「碧(あお)のシグナル」の5月シリーズは「魚尻(うおじり)交通手段が限られた江戸時代や明治時代、生魚の鮮度を保ち、運べた範囲を指す」の視点を通し、流通や小売りの変化を追います。(6回続きの4)
運ぶスピードのアップ、冷気を閉じ込める梱包(こんぽう)と技術が進むが、別な角度で「魚尻(うおじり)」を追う姿もある。
5月上旬の午後。重さ6キロほどのヒラメが、まな板に載っていた。この日の朝、柿崎漁港(上越市)の漁師が一本釣りで上げた上物だ。内臓を落として切り身やエンガワに仕上げる。ものの数分。手際が良い。
白衣姿で包丁を握るのは、...
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