
原子力規制委員会の委員就任に向け、抱負を述べる神田玲子氏=16日、東京・六本木
9月に原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として環境省の外局に位置付けられる。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。の委員に就任する量子科学技術研究開発機構(QST、千葉県)理事の神田玲子氏(63)=放射線影響・放射線防護=が16日、規制委参事に任命された。神田氏は同日、東京都内で取材に応じ、「これまでの経験を社会の役に立てたい」と意気込みを述べた。
現委員の任期満了に伴う交代で、9月で任期が10年となる伴信彦氏(62)の後任に就く。QSTでは放射線防護情報統合センター長や放射線医学研究所長などを歴任し、現職。
神田氏は2011年の東京電力福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。 時に住民被ばくに関する対応を担うなど、放射線規制や原子力災害医療の分野に30年以上、関わってきた。16日の取材では、「体験した者で...
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