新発田市民403人の手でつづられ1982年に刊行された寄稿集「生きる 戦時下しばた市民の記録」は、庶民の目線から悲惨な戦争を見つめ、平和の尊さを後世に伝えている。その編集や清書、事務作業には約70人が協力し、900ページ余りにまとめた。編集に携わった一人、伊藤啓子さん(82)=新発田市豊町2=に、当時の編集者らの思いを聞いた。(4回続きの4)

-「生きる」が発行されたきっかけを教えてください。
「新発田市民は、戦争でつらく大変な思いをしてきた。体験を語り継ぎ、子や孫に再び苦しい思いをさせたくないという強い願いがあった」
「編集の中心を担ったのは...
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