環境省が佐渡市のみで行っているトキの放鳥が、2026年度から本州中心で行われることが27日、分かった。環境省の「トキ野生復帰検討会」で、今後の放鳥や繁殖の方針案が了承された。本州でのトキの定着に軸足を移した上で、佐渡市では計画的な放鳥は行わず、生息状況に応じて放鳥するとしている。

 佐渡島内では現在、野生下で500羽を超えるトキが生息している。08年に始めた放鳥は例年2回行われ、各回10〜20羽ほどをリリースしてきた。

 一方でトキは島の中心部に集中し、過密化などによる繁殖率の低下が問題となっている。そのため、環境省では昨年、トキの生息数が少ない大佐渡地域で初めて放鳥を行った。

 検討会では佐渡島での個体数の状況を、ある程度安定的に増えてきていると評価。26〜30年度の次期行程表(ロードマップ2030)の案を示し、佐渡での目標として「数を増やすという段階ではなく、(遺伝的多様性を維持しながら)存続していくという方向に変更」すると説明した。

 環境省は来年、...

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