公式確認70年の水俣病犠牲者慰霊式で手を合わせる緒方正実さん=5月1日、熊本県水俣市
公式確認70年の水俣病犠牲者慰霊式で手を合わせる緒方正実さん=5月1日、熊本県水俣市

 解決の糸口が見えない水俣病問題。全容解明や患者の救済に必要とされる健康調査はなぜ行われてこなかったのか、今後どのように被害と向き合うのか。健康調査を巡る歩みと調査の在り方を軸に、熊本と新潟の公害被害の現場から解決への課題を探った。(5回続きの5)

<4>医学的解明進まぬ胎児性患者、「感覚障害」長年の焦点に

 水俣病を語り継ぐ「水俣病資料館語り部の会」会長で認定患者の緒方正実さん(68)=熊本県水俣市=の手元に、水俣病の健康被害に関わる一通の資料がある。2歳の時の毛髪水銀値は「226ppm」。日本人の平均値(1〜2ppm台)の100倍を超える。祖父が当時町内で最初の急性劇症型水俣病で亡くなり、1960年に県が調べた。

 「これが動かぬ証拠になって行政認定につながった」と緒方さん。...

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