【2021/08/02】
東京五輪が無事に開幕しました。中国・大連での盛り上がりはというと、残念ながら開幕前は非常に低調でした。7月になっても五輪関連の報道はほとんどなく、選手団出発などのニュースが話題になる程度でした。
それでも7月中旬から開会式に向けた報道が少しずつ増えてきました。地元紙「大連日報」でも、開会式の前日から特集コーナーが掲載されています。
ただ、開幕を伝える1面は、国家主席のチベット訪問の報道と重なったため、開会式の写真は片隅に小さく掲載されただけ。別途、特集面で紹介される形になったのが少し残念でした。
開会式はテレビで生中継され「ようやく東京五輪が身近な話題となってきたのかな」と感じています。
実際、本格的に競技が始まった24日に中国の選手が立て続けに金メダルを獲得しました。中国の会員制交流サイト(SNS)上には、「中国加油(中国頑張れ)!」とのコメント付きでの投稿が増え、ようやく関心が出てきたようです。
来年2月には北京冬季五輪が開催されることから、中国の人々は、今回の五輪がどのように開催されるかを固唾(かたず)をのんで見守っているようです。五輪に関連する一連の報道の中で、開催に否定的な内容はほとんどありません。
新型コロナウイルスの流行が収まらない中での開催について、過去の開催状況との相違点(雰囲気の違い、再流行の懸念、無観客の会場、新型ウイルス対策による競技運営など)を紹介しつつ、東京五輪の成功を期待するとの内容が中心です。
このように、好意的な報道が大半ですが、日本とメダルを激しく争う卓球については「会場が少し狭い」「新型ウイルス対応のための細かい規定で選手がリズムを壊すのではないか」といった軽い「口撃」を含んだ報道も見られます。
メダル獲得にかける中国の強い思いを垣間見ることができました。
大連の公園にあるオリンピック選手の銅像
◎川崎誠さん(県大連経済事務所)川崎さんは1972年生まれ。新潟市出身。新潟高校、中央大学を卒業後、94年に県庁に入庁。2019年から県大連経済事務所で勤務しています。