お酒を片手にDJによる選曲が楽しめるカジュアルバー「エディターズカフェ」(写真映像部・芳本卓也)

 一日に一曲も音楽を聴かなかった日はあっただろうか。少なくとも入社から6年間はないと思う。休日はもちろん、通勤や取材先への移動中はほとんど聴いている。気持ちを高めたい時、リラックスしたい時。ジャンルを問わず、音楽に救われた経験は数知れない。演奏はしないが「NO MUSIC,NO LIFE.(音楽なしに生きられない)」と言わせてほしい。

 新型コロナウイルスの影響で多くのライブが中止され、ライブハウスやクラブが閉店した。一方で、定額利用やデジタル配信で膨大な楽曲がいつでもどこでも聴ける時代でもある。音楽との出合いや消費の仕方は、目まぐるしいスピードで変わっていく。

 自分の好みに応じて、人工知能(AI)が曲を薦めてくれる昨今だが、若者の間ではアナログレコードがちょっとしたブームだ。新譜、中古を問わず店頭でレコードをあさり、お気に入りの一枚を丁寧に聴く人が増えた。ターンテーブルの針を落とす行為や、ボタン一つで曲が飛ばせない“不便さ”が、音楽への愛着を一層かき立てるという。

 感染禍が落ち着き、夜の街を歩いてみると、新潟県内にもレコード音源にこだわるバーがあった。そんな空間には普段自分が聴かないジャンルや年代の楽曲があふれている。カウンターでゆったりと過ごせる店から、ダンスフロアで踊れる店まで。お酒を片手に、音楽が堪能できる大人の遊び場「レコードバー」を巡った。...

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