【2021/04/05】
新型コロナウイルス感染症への不安は世界中の誰もが感じることでしょう。新型ウイルスが原因のうつも報告されています。
日本ではメンタルヘルスに対する見方が大きく変化しているようですが、ここイギリスでは、心の不調は誰もが経験することとみなされ、手厚い支援態勢が整えられています。
家庭の不和、職場でのトラブル、ストレスなどが原因で発症するうつや不安をサポートするのです。
イギリスでは「心の不調は体の不調として現れる」という認識が共有されています。地域のかかりつけ医に相談することができますし、この国ならではの医療制度「ナショナルヘルスサービス」(NHS)のオンラインで申し込みをし、自分自身で取り組むプログラムや、カウンセリングなどを受けることもできます。
私は国が認定するアートセラピストですが、精神科医の診察を受ける方、精神疾患のある方がアートセラピーを受けられるのは、心理療法(精神療法)が古くから発達しているこの国の特徴をよく表しているように思います。
病院やNHS、自治体が運営している精神科デイケアでは、絵の具や粘土などを使ったアートセラピーが行われ、自分の心の内面をセラピストとコミュニケーションし、サポートを受けることができています。

うつの中で、かすかな光がさし始めた瞬間を描いた自作の絵画。アートセラピーは、言葉にできない苦しい気持ちも楽しかった記憶も、気づきも表現することができる
自助組織など多くの大きなチャリティー組織が活発なのも、非政府組織(NGO)が発達しているお国柄だからといえるでしょう。
私はささえ愛よろずクリニック(新潟市秋葉区)に併設されている新潟統合医療リカバリー研究所の診療に協力しています。
「地域の保健室」となるよう、当事者や支援者、家族らをサポートしています。日本時間の25日午後2時には、研究所でワークショップが開かれます。詳細は研究所のホームページなどをご覧ください。
◎間美栄子さん(新潟市中央区出身)間さんは新潟高校、新潟大学、ロンドン大学大学院卒業。1998年にシュタイナーの哲学を学ぶため渡英。以来、アートセラピーによる心のサポートの実践に励んでいます。現在は、ささえ愛よろずクリニック・精神科デイケアでセラピーを行っています。