【2021/04/05】

 米国で桜というと首都ワシントンDCの桜が有名です。

 ワシントンDCの桜は1912年、当時の東京市から日米親善の証しとして贈られたもので、3月末から4月上旬にかけて咲きます。

 私が住むニューヨーク(NY)市でも桜を見ることができます。NYの緯度はワシントンDCより高く、青森県弘前市や八戸市と同じぐらい。桜の季節も4月半ば以降と、少し遅めです。

 NY市内の桜の名所はセントラルパーク、ルーズベルト島、ブルックリン植物園、サクラパークの4カ所があります。

 ハーレム地区にあるサクラパークはワシントンDCと同じく、当時の在米日本人が友好の証しとして贈ったそうです。

 集まりやすさ、場所の押さえやすさ、安全などから、NY新潟県人会恒例の花見はルーズベルト島で実施されています。

 ルーズベルト島は市の中心であるマンハッタン島とクィーンズ地区の間を流れるイースト川にある細長い島で、マンションや大学、公園などがあります。桜は島の南西部の川沿い、北側にソメイヨシノと南側に八重桜が植えられています。

 川を挟んで見えるマンハッタンは狭い島の中にビルが林立していることがよくわかります。毎年見るたびに「あんな狭い所にたくさんの人が住んで働いているのか」と不思議な気持ちになります。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年の県人会の花見は残念ながら中止となりました。状況は改善傾向にあるものの、室内外での集まりは制限されていますので、今年も花見は難しいかもしれません。

 お弁当を持ち寄り、桜を見ながらおしゃべりを楽しむことが普通にできた日が今は懐かしく、待ち遠しくもあります。

 その日を楽しみに、今年は桜並木を散歩して我慢することにします。

ニューヨークの桜並木。新型ウイルスが流行する前は多くの人でにぎわっていた=2018年4月

◎髙橋啓さん(三条市出身)髙橋さんは1975年生まれ、三条東高校卒。97年に渡米。2008年よりNYに住んでいます。現在は人事コンサルティング会社の副社長。NY新潟県人会の副会長も務めています。