【2021/02/01】
2年ほど前から英国でこうじ文化や日本の発酵食品を紹介する活動を続けています。主なものでは、農産物直売所での自家製こうじ調味料の販売、イベントでの講演などです。
当初は存在を知る人もわずかで、説明にも苦労したこうじですが、食品・料理業界の旬な話題として知名度がまたたく間に急上昇。今ではシェフや食通の方々のみならず、一般の注目を集めるまでになりました。
今や「Umami(うま味)」、「Miso(味噌(みそ))」、「Koji(こうじ)」といえば、食のグローバル用語として広く認識されています。
北ロンドンの農産物直売所では、今でこそ新型コロナウイルス禍で気軽に試食していただける状況ではなくなってしまいましたが、以前は味噌ドレッシングなどを試食すると、みなさん目を丸くされ、多くの方がリピーターとなってくださいました。
こうじや味噌、どぶろく造りなどの教室もオンラインでの講義を余儀なくされました。お米の状態を画面でどのようにお見せするかなど苦労した点もありますが、結果的には地理的な制限を超えて、より多くの方々にご参加いただけるようになりました。
オンラインとはいえ、参加者の皆さまには、すべての手順を五感をもって体験していただく努力をしています。クラスが終わった際には、楽しそうにこれからのこうじ生活に思いをはせていらっしゃる様子がうかがえ、自由な発想をお聞きするのが講師としての楽しみの一つとなっています。
そんな方々の熱いリクエストを受けて、現在しょうゆ造り教室も企画中です。
自分のルーツであり、誇りである日本の食文化を異国である英国の方々に楽しんでいただき、健康に寄与するという形でコミュニティーに貢献できることをとてもありがたく感じています。

ロンドンで開かれたこうじ文化の講演会の様子。英国でもこうじ人気が高まっている=2020年10月
◎内柴晴子さん(新潟市中央区出身)内柴=旧姓埜上=さんは1990年に渡英。ITエンジニア、翻訳業を経て、現在は現地でこうじなどの発酵食品を知ってもらう会社「The Koji Fermenteria」を主宰しています。