故山﨑徹爾さんの写真と、「死ぬんじゃない生きるんだ!!」と題した直筆の手記。長男の山﨑徹さん(右)夫妻が冊子にまとめた=上越市
故山﨑徹爾さんの写真と、「死ぬんじゃない生きるんだ!!」と題した直筆の手記。長男の山﨑徹さん(右)夫妻が冊子にまとめた=上越市

 戦後78回目の夏がやって来た。2023年も多くの新潟日報読者から、戦禍の記録や手記、遺品が寄せられた。その一つ一つが、戦時を生きた人々の証しだった。伝えたいと願う人がいる。受け継がなければと誓う人がいる。過去から託された思いを未来につなげ、平和を考える。

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 ソ連(現ロシア)が満州(現中国東北部)に侵攻してから78年。ソ連による抑留の実態を克明に記した新潟県上越市の山﨑徹爾(てつじ)さん=2016年に99歳で死去=の手記が新潟日報社に寄せられた。手記には過酷な強制労働の実態や、平和への思いが書かれている。徹爾さんの死後、家族が手記を冊子にまとめた。非戦の誓いは、子や孫たちが引き継いで...

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