昨年、金融投資会社を退職した後、さまざまなボランティア活動を楽しんでいます。
日時、場所、興味ある分野の検索が容易な登録システムによって、誰でも空き時間を利用して気軽に参加できます。
私が今年2月に参加したのは、ニューヨーク市の学童保育で、日本文化の一端を紹介することでした。
低所得者層の多い地区の公立小学校の子どもたちに世界地図で日本を探してもらい、日本語で1から10を覚えてもらう。日本についてウソかホントかのゲームや折り紙での手裏剣作りも好評でした。
不器用な子にもできるかという心配はよそに、みんな簡単な説明で上手に作っていました。

日頃、接する機会の少ない子どもたちからエネルギーをもらい、晴れ晴れとした気持ちで帰りました。自分の特性を生かし、楽しんで社会活動にかかわる機会を得て感謝の気持ちが湧きます。
新型コロナウイルス感染の拡大で外出禁止令が出てからは、新たなボランティア活動が展開されるようになりました。
学校給食が大事な栄養源となっている生徒や低所得者、激増した失業者に食事や食料品を配給するボランティアが大勢います。
休業を余儀なくされたレストランが医療の最前線で働く医療業務関係者に食事を配る。精神科医による無料のサービス、弁護士による無料相談など多岐にわたります。
「9・11」の時もニューヨーク市民の助け合い精神に胸を打たれましたが、このウイルスとの闘いでより一層、市民の連帯を強く感じるようになりました。
毎日午後7時、あちこちのアパートの窓やベランダから住人が拍手をし、声を上げ、鍋をたたいて前線で働く人々に感謝の気持ちを表します。
市民の連帯を示すパフォーマンス。ボランティア精神に通じるものを感じます。
江口 真由美さん(新潟市中央区出身)
(江口さんは1989年からニューヨークに住んでいます)