昭和歌謡界のヒットメーカー遠藤実さん。今も歌い継がれる多くの名曲を残した
<えんどう・みのる>
 1932年東京・墨田区生まれ。43年に両親の出身地の旧曽根町(現新潟市西蒲区)に疎開し、その後、旧内野町(同西区)に引っ越した。49年に歌手を志して上京し、独学で作曲を学ぶ。57年に「お月さん今晩わ」がヒット。「高校3年生」「星影のワルツ」「せんせい」「北国の春」などを手掛け、日本歌謡界を代表するヒットメーカーになった。日本大衆音楽文化協会長、日本音楽著作権協会長、日本作曲家協会長などを歴任。2003年に歌謡界初の文化功労者。08年12月6日に76歳で死去。09年に国民栄誉賞。

 新潟を愛した人だった。戦後歌謡界を代表する新潟県ゆかりの作曲家、遠藤実さん。5千曲以上を世に残し、2008年12月に76歳で亡くなった。新型コロナウイルス禍のいま、「きっと先生は天国から、新潟の人たちが大変な苦労をされているんじゃないかと、心配されているでしょうね」。遠藤さんの大ヒット曲「北国の春」を歌う千昌夫さん(74)はそんな思いをはせて、「先生の曲が皆さんの心のワクチンになってもらえればと願い、歌わせてもらいます」-。

 11月23日に新潟県長岡市で開催される「心に届け~遠藤実音魂(おとだま)コンサート」に出演する。新沼謙治さん(65)、一節(ひとふし)太郎さん(80)、三ツ木清隆さん(...

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