迫力ある神明宮のてんぐ(上)とカラスてんぐ(下)の鬼瓦。昭和初期の作とみられ、うわぐすりは使わず焼き締めてある=阿賀野市湯沢(写真映像部・金子悟撮影)

 江戸時代から続く「安田瓦」の産地として知られる新潟県阿賀野市。安田地区だけでなく笹神地区でも、昭和40年代ごろまで瓦が作られていた。市内では、歴史を感じさせる古い瓦屋根を各地で見ることができる。

 屋根の上には、鬼瓦が存在感を放っている。建物を火災から守るため、雲や波など水に関係した意匠が一般的だが、にらみを利かせる鬼ばかりではない。ユーモラスな表情の鬼や満面の笑みをたたえたえびす様と大黒様が、肩...

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